
一眼レフを始めたばかりの頃は、いろいろなミスをたくさんしがちなものです。中でも最も良くないのがピンボケと手ぶれです。今回はそのうちのピンボケにフォーカスを当てて、どうすればピンボケさせずに写真を撮ることができるのか書いていきます。
ピントは主題が何かを際立たせるためのもの
日本では開放気味のボヤけた写真が好まれる傾向にありますが、ピンボケとボヤけた写真は違います。ボヤけた写真は、全体的にボヤけていてもちゃんと主題にピントが合っていることで、何が主役なのかはっきりと分かるようになっています。
初心者の頃は意外とピントが合っていないことにすら気づかないことも多いので、写真を撮ったら一枚一枚ズームしてピントがちゃんと合っているかを確認してみましょう。
では、実際にピンボケしない写真を撮るためにはどんな対策をとればいいのでしょうか?
F値を絞る
そんなこと言われなくても分かっとるわ!と怒られてしまいそうですが、一番簡単な方法はF値を絞ることだと思います。F値は開放にすればするほどボケやすくなります。特に2以下にまでしてしまうと、神経質にピントを合わせたつもりでもボケていたりします。
下手に開放にしてピンボケになるくらいなら、多少絞ってピントが合いやすくしたほうが賢明だと私は思います。
ピントは目に合わせる
初心者の方の中にはピントを合わせる場所を間違っている方もいらっしゃいます。まず基本として、人物や動物の写真を撮る時にはピントを目に合わせます。更に具体的に言えば目頭に合わせるのが良いと言われています。人間は目にさえピントが合っていれば、顔の鼻や耳にピントが合っていなかったとしても、ピントが合っていると認識することができます。逆に鼻にピントが来ていて目に来ていなければ、それはピンボケしていると認識されてしまいます。
フォーカスエリアを自動にせずにスポット一点エリアで撮影しよう
目にしっかりピントを合わせるためにはフォーカスエリアをしっかりと自分で設定する必要があります。フォーカスエリアを自動選択にしているしている方も多いですが、自動選択では思った場所に的確にピントを合わせることは難しいです。やはりフォーカスエリアは自分で一点スポットに設定することをオススメします。
ちなみに、レンズは基本的に中心部分が最も性能が良く綺麗に撮れるので、私はよっぽどの理由がない限りは中央一点でしか撮りません。

フォーカスエリアは中央一点が一番いい。
ライブビューモードで撮影する
上でスポットエリアで撮影すると良いと書きましたが、ピントをスポットでしっかり合わせたつもりでも結局ズレる時はズレます。個人的に最も間違いないピントの合わせる方法は、ライブビューで被写体をアップしてからMFでピントを合わせる方法です。これでピントを合わせれば被写体が勝手に動き回らない限り99%ピントがずれることはありません。
ただしこれは被写体が動かないものであることが前提とされますし、三脚を立てる必要があります。それらの条件が揃い、ピントがシビアな時に使ってみるといいかもしれません。
逆光や暗い時にはMFで合わる
カメラは逆光や暗い場所に弱く、ピントが迷いやすかったりピントがズレてしまったりするものです。こんな時は原始的にMFで合わせるのが一番。また、逆光時は先ほど書いたライブビューでのピント合わせも効果的です。
力技としては、被写体にライトを当てて明るい状態でピントを合わせてから撮影するというのも手ですね。私はたまにこれをやります。ピンボケ怖いので…。
MFの場合はフォーカスエイド機能を使おう
レンズによってはカールツァイスなどMFしか付いていない場合もあります。MFはピントが合っているのか分かりづらく迷ってしまうことがありますね。MFでピント合わせをする場合はフォーカスエイド機能を使うことをオススメします。フォーカスエイドとはMFのピント合わせのサポートをしてくれる機能のことです。
まずシャッターを半押しした状態で、フォーカスリングを回して被写体にピントを合わせます。するとピントが合ったところで、フォーカスエリアが赤く光るので、MFでもピントが合っているかどうかが自分で判断できるようになっているのです。
私はMFしかないレンズを使うときは、必ずこのフォーカスエイドを使ってピントを合わせています。
そもそもの話だけど、ファインダーの視度調整をしておく
そんなの今更すぎだろ(笑)と笑われてしまいそうですが、恥ずかしながら私はカメラを始めた時にファインダーの視度調整ができると知らずに悪い目でMFを使って写真を撮っていたので、ピンボケミスを連発していました。ファインダーでピントが見づらいなーと思っている方は、一度ファインダー横にある、視度調整ネジをイジってみるといいでしょう。これをしないとMFでピント合わせは無理です…。
AFマイクロアジャストメント(AF微調整)でピント調整する(上級者編)
さて、ここまでピンボケしないための方法をいろいろ書いてきましたが、たまにどうしてもピントが若干ズレるレンズがあることがあります。これはレンズとボディには相性があり、初期設定の段階でピントがずれていることで起きる現象です。なんだよそれ、不良品じゃねぇか!と憤りたくなる気持ちもとても分かりますが、中級機以上であればAFマイクロアジャストメント(Nikonの場合はAF微調整と言います)という機能を使って自分でピント位置を調整することができます。
まずカメラのメニューから「FnⅡ:AF」を開きます。
すると9番目にマイクロアジャストメントの項目が出てきますので、そこでレンズごとに調整します。ピントが若干前にずれているなと思ったら、ここでマイナス調整、後ろにズレているなと思ったらプラスに補正してあげます。
ピンボケ写真から卒業しよう!
ピンボケは狙ったのであればいいのですが、やはり基本的にはNGでしょう。なぜなら、露出などであれば後で多少補正することはできますが、ピンボケはいくらフォトショップが進化したとはいえ、補正しきれないからです。
ピンボケしてしまって悩んでるという人は、以上のことを意識して撮影してみるとピンボケ写真から卒業できるかもしれません。