【一眼レフカメラ】被写界深度を浅くする。写真をボカす為の4つの心得。

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写真の世界にはたくさんの難しい用語があります。その中でも最も難しそうに聞こえる用語の一つが被写界深度です。文字面ではとても難しそうに聞こえますが、実はそんなに難しい話ではないのです。
しかもこの被写界深度を理解して自在にコントロールできるようになれば、写真の表現力があがること間違いなしです!

被写界深度が浅い=ボケてる、深い=シャープ

被写界深度とはざっくり言うと、ピントが合っている範囲のことを言います。よく被写界深度が浅い写真、深い写真なんて言葉を耳にしますが、要は写真がボケてるかシャープなのかということを難しく言っているだけです。つまり、浅いというのがボケ味の強い写真のことで、深いというのがシャープでピントが全体に合っている写真のことを言います。被写界深度には前方被写界深度と後方被写界深度とがあり、後方の方がピントが合う距離が長いという特徴があります。
現在日本では、被写界深度が浅い(ボケた)写真の方が需要が強い傾向にありますが、どうすれば被写界深度の浅い写真を撮ることができるのでしょうか?

被写界深度の浅い写真を撮るための4つの方法。

被写界深度を浅くするには以下の4つの方法が挙げられます。

① 絞り(F値)を開放にする

おそらくみなさんが一番最初に思いつく方法はこれではないでしょうか?(絞りについては別記事に書いてありますので詳しく知りたい方はそちらを参照ください。)背景をボカすのに一番手っ取り早いのは、F値を小さく設定して開放で撮ることです。

② 被写体と背景を離して撮影する

次に考えられる方法としては、被写体と背景の距離を離すということです。こちらは実際の画像を見て頂ければ分かるのではないでしょうか?
こちらは自分の目でも同じ効果が得られるので試してみると分かりやすいと思います。例えば壁のすぐ近くにペットボトルを置いた時と、壁から遠く離して置いた時の壁のボケ具合はどちらが強いか比べてみてください。きっと壁から距離をとって見た時の方がボケて見えるのではないでしょうか?

松ぼっくりのすぐ後ろに紅葉を置いた。

松ぼっくりのすぐ後ろに紅葉を置いた。

背景の紅葉を松ぼっくりから遠く離した。さっきよりもボケ味が強くなった。

背景の紅葉を松ぼっくりから遠く離した。さっきよりもボケ味が強くなった。

③ 被写体に近づく

なるべく被写体に近づいて撮影することでも背景をボカすことができます。添付の画像を参考にご覧ください。ただポートレートの場合、あまり近づきすぎると人物の顔が歪んでしまいますので、注意が必要です。
こちらも自分の目で同じ効果を実体験で来ます。顔の前に指を立て、その指に焦点を合わせて見つめます。その指に対して顔を近づけてみたり、離してみたりしてみてください。その時に背景の見え方が変わるはずです。同じように、カメラを持った時にもっとボカしたいなぁと思ったら、自分の足を動かして被写体に近づいて撮影してみましょう。

50mm、f2.8で撮影。

50mm、f2.8で撮影。


後方の黄色いチューリップをアップにしてボケ味を確認。

後方の黄色いチューリップをアップにしてボケ味を確認。


さっきと同じ50mm、f2.8で撮影。今度は被写体により近づいてみた。

さっきと同じ50mm、f2.8で撮影。今度は被写体により近づいてみた。


後方の黄色いチューリップをアップにしてボケ味を確認。引いて撮影した時よりも、被写体に近づいた時の方がディティールがボケている。

後方の黄色いチューリップをアップにしてボケ味を確認。引いて撮影した時よりも、被写体に近づいた時の方がディティールがボケている。

④ 望遠レンズで撮影する

最後は望遠レンズを使う方法です。焦点距離の長いレンズを使えば使うほど、ボケ味は強くなります。つまりレンズは広角よりも望遠レンズで撮影した方がボケやすくなるということです。スポーツ雑誌のNumberなどを見て頂けると分かるように、超望遠で撮影したサッカーの試合中の写真はかなり背景がボケてますよね。あれを広角で撮影してしまうと、人物が小さくなるのはもちろんですが、背景もあそこまでボケさせることはできません。
このようにどのレンズを選ぶかということも大事な要素になります。

50mmで撮影。

50mmで撮影。


200mmで撮影。50mmで撮影した時よりも、背景のボケ味が強くなった。

200mmで撮影。50mmで撮影した時よりも、背景のボケ味が強くなった。

被写界深度の計算式

ここからはかなりコアな話になってきますので、興味のある方だけ見て頂ければと思います。正直計算できなくても、どうやったらボケるかさえ体で覚えておけば写真は撮れますので笑

計算に必要な項目

被写界深度には以下の項目が影響してきます。
絞り(F値)
被写体までの距離
焦点距離(レンズに書いてある50mmや85mmといった表記のこと)
許容錯乱円径
前方被写界深度
後方被写界深度

※許容錯乱円径についてごく簡単に説明しておきます。カメラというのは、映像をレンズを通して見た時に点として認識できる部分がピントが合っているように見えます。(図を参照してください。)この点になる部分よりも前後にずれると、ピントが合わずに点ではなく円として認識されます。(この点としてではなく、円になってしまっている部分のことを「錯乱」していると言っている…のだと思っています笑)つまりその円になっている部分が写真のボケとして表現されているわけです。しかしデジタルカメラの場合、一画素以下のサイズの円は小さすぎて円として(ボケていると)捉えられないため、点と(ピントが合っていると)判断されてしまいます。この、ズレていてもある程度ピントが合っていると捉えられる範囲を許容錯乱円径といいます。ちなみに、許容錯乱円形は撮像素子サイズによって変わりますので、フルサイズとAPS-C、フォーサーズなどの種類によって変化します。フルサイズの場合は約0.03mm、APS-Cの場合は約0.02mmと言われています。

許容錯乱円径

被写界深度を求める計算式

では、必要な要素が分かったところで実際の計算式を見てみましょう。
被写界深度=前方被写界深度+後方被写界深度

計算式を見て分かるように、被写界深度を求めるためには前方被写界深度と後方被写界深度の値を出す必要があります。その値の求め方が以下の計算式になります。

前方被写界深度=( 許容錯乱円形×絞り(F値)×被写体までの距離2 )÷ ( 焦点距離2+許容錯乱円形×絞り(F値)×被写体までの距離 )

後方被写界深度=( 許容錯乱円形×絞り(F値)×被写体までの距離2 )÷ ( 焦点距離2—許容錯乱円形×絞り(F値)×被写体までの距離 )

なんだか数学の授業みたいになってきましたね…笑
しかし、それぞれの言葉の意味さえ分かっていれば、さして難しいことではないです。実際に計算式に数値を入れてみましょう。

実際に計算してみよう!

今回はフルサイズ機で200mmと50mmのレンズを使った場合、被写界深度がどう変化するのかを見てみましょう。
前提条件として、F値は8、被写体までの距離は1000mm(1m)、許容錯乱円径は0.03、計算しやすいように小数点第三以下は切り捨てとします。

まずは200mmのレンズで撮影した場合。
①前方被写界深度を計算する
0.03mm×8×(1000mm)2÷((200mm)2+0.03mm×8×1000mm)≒5.96mm

②後方被写界深度を計算する
0.03mm×8×(1000mm)2÷((200mm)2−0.03mm×8×1000mm)≒6.04mm

③前方、後方被写界深度を足して被写界深度を出す。
5.96mm+6.04mm≒12mm

200mmで撮影した場合、被写界深度は約12mmということが分かりました。
なかなか浅いですね。

次に50mmのレンズで撮影した場合。
①前方被写界深度を計算する
0.03mm×8×(1000mm)2÷((50mm)2+0.03mm×8×1000mm)≒87.59mm

②後方被写界深度を計算する
0.03mm×8×(1000mm)2÷((50mm)2−0.03mm×8×1000mm)≒106.19mm

③前方、後方被写界深度を足して被写界深度を出す。
8.76mm+10.62mm≒193.78mm

50mmで撮影した場合、被写界深度は193.78mmということが分かりました。
200mmで撮影した場合よりもかなり深くなっていることが分かります。この計算式からも先ほど上の④で説明した、広角レンズよりも望遠レンズの方がボケやすいということが証明されました。

難しく考えなくても写真は撮れる!

さて、ここまで小難しいことを書いてきましたが、実際ここまで計算しながら撮影している人はほぼいないと思います笑
実際に上の計算ができなくとも、どうやったらボカすことができるのかさえ頭と体で覚えていれば写真は撮れます。被写界深度の浅い写真を撮ろうと思った時は、上の4つのポイントを思い出しながら撮影してみてください!

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